ルーザーヴィル

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2023.04.11 大阪松竹座

 

「オタク」「コンピューター」「負け組」
……なんかそんな舞台去年の夏に観たな?

 

BE MORE CHILL(以下、チル)を引きずり過ぎているおたくによる偏った感想ですが1幕はマジでチルだった。

 

陽キャにいじめられる冴えないオタクが自分らしく生きる女の子に恋して、その二人を見ているうちにカースト上位の取り巻きたちも自分らしさをみつけるみたいな展開、マジでチルじゃん?
1幕ラスト、彼女が出来てウッキウキのマイケルとひとりぼっちのルーカスの図も、スクイップを手に入れた後のジェレミーとバスルームのマイケルじゃん??

 

…と1幕まではそう思っていたし、ルーカスに感情移入して心苦しくなってたけど、2幕は想像とは違った。

 

ルーカスが親友を裏切る。許せん。

ホリーはマイケルのためを思って最後に笑えるなら、ってエディの味方をしたけどルーカスは完全にむしゃくしゃしてやりました感。

 

「Holly I'm the One(ホリー、俺と)」ルーカスのソロめちゃくちゃ好きだったけど、内容はまあひどい。「僕の彼女にできたのに」とかホリーの気持ちは?だしマイケルのことクズ呼ばわりしたりコンピューターも僕が教えたのに〜みたいなこと言ってた。

ルーカスとマイケルの友情の重さがどれほどなのかは見た人の感じ方次第だと思うけど、ホリーを取られたっていうより、ホリーにマイケルを取られた、に感情が近いのかな。ルーカスにとっても初めて親しくなれた女の子だったんだろうし。対等な位置にいたはずのマイケルが一歩先へ行ってしまった消失感みたいな。

カースト下位同士でも結局少しでも優位に立ちたい、仲間に置いて行かれたくない、っていうハイスクールモノあるあるな葛藤がここにもありましたね。

とはいえ自分勝手だなー!とは思っちゃうよね!

 

みずきくんがひたすらにかわいい。女子と話せない病発動してるのもコンピュータールームの外に追い出されてるのもホリーと付き合えてルンルンなのもいろんなマイケルが見れて楽しいね。

克樹もすごく良かった!歌もダンスもうまくてイキイキしてたし、しょんぼり演技がよく似合ってた(かわいい)。

 

1幕はとにかく陽キャたちが怖すぎるし、オタク全否定ソングは噂には聞いていたけど想像以上に明るく存在否定されて心閉ざした。出演者全員若いしリアル陽キャらしくてそりゃみずきくんも楽屋から出てこれないわ。

 

あらゆるところから出てくるハンドマイクがじわじわ面白いし「歌います」宣言してスタンドマイクで歌いだすの斬新でウケた。

個人的にはウェインが歌うまで好きでした。声のハリとパフォーマンスのデカさが舞台映えしていい。

 

セット固定だけど椅子やパソコン、階段が目まぐるしく動き回るので全然飽きない。教室の視点ぐるぐる変えるところおもしろかった。

あとピンクの紐でモニター枠を表現したり、紐と腕で電話を表現したところ好きだった!ホリー側の声は聞こえないのも表現が上手い。

 

後ろのモニターの使い方がいいよね。背景としても、歌唱中のアップや歌詞を出したり、手紙やメールの文字を重ねていたのもよかった。特に最後のメールの部分は文字を送信できたことを伝えるためにこういう演出なんだろうな〜という感じ。歌詞出るのは一回しか見れない人にとっては大助かりでありがたい。

 

「Brains and Looks(この見た目この頭脳)」キャラによって曲調や歌詞が変わって意味が変わっていくのが面白かった。見た目だけで中身を見てくれない〜は性別や見た目で判断される時代を表していただろうし、この見た目可愛いでしょ?のレイアはちょ〜可愛かった。

 

エディが最初から最後まで最悪な奴でやりきっててすごい。会見かなんかで嫌われます!って宣言してたのその通りだった。ほんとに最後まで救われなかったね。

エディ被害者の歌(Sick)の4人が感情こもりまくってて好きだったな。直前のホリーへの態度にムカついてたから観客の気持ちも乗るし。この曲のレイア歌うますぎてすごかった~!

 

最後のスカッと展開は気持ちよかったしルーザーヴィル(曲)はなんか眩しすぎて泣けてきた。オタクたちよかったね。好きなものがあるって素晴らしいことなんだよって世間に証明できたよ。

 

 

みずきくんにとってこの作品が自信となって、これからもいろんな会場で輝く姿を見れたらいいな。HiHi Jets一同よりの暖簾も連れてね!