2022.07.26,08.08 新国立劇場 中劇場
年に2回も主演ミュージカルが見れるなんて舞台に愛されすぎじゃない?
BE MORE CHILL、ブロードウェイの名作のアジア初上演。
調べれば調べるほどすごい話題作だったんだなあと知り、その主演に薮くんが選ばれたことが誇らしくて嬉しくて。
メインビジュアル出ても全然陰キャに見えないじゃんと思ってたのにジェレミーは表情とか動きがしっかりオタクでキモくてすごかった(褒めてるよ)
私自身ずっとオタクで生きてきたし、学生時代にいじめられたことも友達がいなかったことも、イケてるグループに憧れたこともある。
イケてる奴ら(所謂陽キャたち)もそれぞれ悩みや葛藤を抱えていて、10代という若さゆえ不器用ながら自虐やマウント、他人をいじめることで自分自身を守ろうとする姿はあまりにもリアルで誰しもに苦しくも刺さる作品だと感じた。
わたしにはグサグサ刺さったしめちゃくちゃロス引きずってる。また見たい。
ジェレミーとマイケル。お互いに自分たちがイケてないと分かっているからこそ自分と似た人を求めてしまう。同じような分類だけど性格の違いがすごく表れていて、どっちの気持ちもわかるからこそ苦しかった。
ジェレミーはオタクであることを引け目に感じていて、イケてる奴らに憧れているし、変わりたいと思っている。クリスティンへの想いを叶えるために、スクイップに手を出した。
マイケルは明るく自己肯定感高めなレトロマニア。気にしていないように見えて、自虐で自分を守るタイプ。ジェレミーと一緒にいることで自分は寂しいやつだと感じなくて済むんだろうな。
ジェレミーがスクイップを入手しようと提案した時、マイケルが否定したのは自分だけ取り残されるのが嫌だったんだろうね。取り残されてしまったら本当に負け組になってしまうから。
クリスティンと結ばれるためにマイケルとの仲を断ち切ったジェレミー。スクイップによりマイケルの姿が見えなくなり、ハロウィンパーティーで久しぶりにマイケルと話す。マイケルは元のジェレミーを取り戻すためにスクイップの危険性を調べてきていた。
そんなマイケルにジェレミーは「負け組が」と吐き捨てバスルームを出ていく。(ここの薮くんの表情がバカかっこいい。冷酷な表情とセリフに込めた感情がたまらない)
からの「バスルームのマイケル(Michael in the Bathroom)」ですよ、こんなん泣いちゃうでしょ。
この曲が一番良かったし苦しかったし大好きだった。公演が進むと自分を嘲笑うような乾いた笑いが追加されていて、、、ぼろぼろ泣いた。
直接的に描かれてはいないけど、マイケルはジェレミーのことを親友と思いながら、それ以上の思いを持っていたはず。(マイケルにはママが2人いるし、レインボーフラッグのワッペンを服につけていたことから)
マイケルの感情に気づいてから見ると切なくて苦しいしそんなこと知らずに過ごしているジェレミーに怒りたくなるシーンもあって。「君のことが1番好きだ」とか、何の気もなく言うんじゃないよ。
※このあたりの解釈は人によると思うけど、わたしはこれが一番腑に落ちているし、マイケルに幸せになって欲しかった
「ズボンの歌(The Pants Song)」でジェレミーのパパがマイケルに「愛しているんだろう?」って問うところ、パパはマイケルの思いに気づいていたんじゃないかなあ。
薮くんの感想
毎回言ってるけど本当に歌が上手い。ロングトーンの曲が多くて声の伸びがすごかったな。「負け組、オタク、その他には(Loser Geek Whatever)」約7分のソロ。ジェレミーの過去・現在・未来、そして決意を表現する歌詞と曲調で薮くんの気迫もすごかった。時間が経ってしまって日本語版の歌詞を思い出せないのがすごく悔しいので映像ください。
1幕はずーーっとオタク仕様で2幕からはスクイップにより変身した姿になりメガネ無し前髪がっつり上げ。これが最高にかっこいい。放火事件の後だっけ、シルバーのジャケットに黒スキニーのジェレミーが好きすぎた。
最後の「頭の中の声(Voices in My Head)」が好きすぎるから日本語版の音源が欲しい。チルの楽曲基本キー高いのでこの曲の薮くんの低音がすごくかっこよくて好きだった。
他の感想
セットがほとんど無い代わりに後ろが一面モニターで、スクールのロッカーや燃える炎などが全部映像で表現されるのが新鮮だった。ここまで色鮮やかで近代的な舞台珍しいよね。
だいすけお兄さんが歌うますぎて震えた。スクイップがアルコールに毒されて初期化?するときに「こーんにーちわー!」ってお兄さん設定出てくるの最高だった。かわいい。
あとはチルガールズがパワフルで可愛くてだいすきだったなー!それぞれの性格やバックグラウンドがあまりにもリアルで当てはまる人多いんじゃないかな。初見じゃわからなかった部分もパンフ読んだらなるほどね〜〜〜となる言動が色々あって、2回目の観劇はすごく面白かった。
好きな人が増えた作品、出会えて良かった作品でした。
ジェレミーとマイケルに幸あれ!
ダイジェスト映像と「生き延びたい(More Than Survive)」