DADDY

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2023.04.19 本多の森ホール

 

久しぶりの日本作ミュージカル。絵本のキャラクターが登場したり、幼い頃から聞き馴染みのある楽曲が使われていて、初めてなのに知っているような不思議な気分になった。

 

独身女性一人で観劇してもどうなんだろうと思っていたけど始まったら超たのしくてそんな不安何処かに飛んでいった。両隣空席で最初こそソワソワしたけど振り付けもしっかりやって楽しんじゃったし相変わらずカテコで泣いた。

曲や演出こそ子ども向けだったけど真に伝えたいメッセージは大人に対してのものだったんじゃないかと思う。そんなきっかけがないと舞台を見にいく人も限られるだろうし、地方を回ってくれるのもありがたいよね。

 

わたしはチル出のだいすけお兄さんのファンなのでこれぞホームな姿を見れて嬉しかった。マイク持ってももかちゃんと歌い出した時はおかあさんといっしょファミリーコンサート始まったかと思った。いろんなダディを演じていたけれど最初の気弱な海賊ダディがいちばんすき。海賊の歌も好き。

 

嶺亜スーパーアイドルだったな〜!体が勝手に〜って踊り出すシーン、めちゃくちゃうまくて見惚れたし最後両手投げちゅーしててかわいかった!

十輝のこともバックのちびたちとして知ってはいたけどちゃんと歌上手いし堂々としててすごかった。あと意外とデカい。

嶺亜のファン(というか痺愛のみなさん)さすがの舞台慣れっぷりで手拍子の統制がすごかった。見習いたい。

 

セリフの言い回しやリアクションは子ども向けにわかりやすく、所々に大人に刺さる懐かしワードやジョークを挟んでくるのめちゃくちゃツボだった。彼女からの大事な話のくだりでアンドレ「着床だよ!」←最低で最高のボケだった。これあとで子どもに意味聞かれたらどうすんの?

 

タカサキさんとショコラちゃんの小ボケが豊富でどこまでがセリフでどこがアドリブなのかわからないくらいでめちゃくちゃ笑った。ゴキブリホイホイで手拍子するのはわたしの人生後にも先にもこの日だけだったと思う。こーすけたちもノリノリで素で笑ってる感じがかわいかったな〜!

レポ見て気づいたけど恐竜たちがダンディ坂野ハケ方してたの石川だからだったのね!(※石川出身)地方ネタも入れてくる芸の細かさも好き。

 

親は子に育てられるとも言うけど、そんなテーマもあったのかな。突然未来の息子が現れたこーすけが旅の中でいろんなダディ達に出会ってその思いを知っていく。

子どもに嫌われたらどうしよう、こんな俺じゃ親になれないよ、こーすけが抱えていた不安は大人になると感じる人も多いんじゃないかなあ。どうしてみんな平気な顔してパパになれるんだろう(ニュアンス)は本当に思う。現に私は全く自信がない。

そんなこーすけが子どもに対して向き合おうとする時のセリフが「昼寝のあとのそよかぜ、お風呂上がりのアイス」みたいな誰もが知っている人生の楽しさみたいなのを誰かと共有したい!っていう気持ちで始まるのすごく好きだった。
子どものいない人のこともちゃんと置いていかない、素敵な表現だった。恐竜の夫夫(ふうふ)だったりジェンダーにまで配慮されててすごく現代的だよね。

 

 

最後の挨拶で中川ひろたかさんが「未来に何があるかは見当もつきませんが、きっと明日はいい天気、そんな気持ちで生きていきたいものです」とおっしゃっていて、その言葉に励まされた。

頑張る力をくれる作品でした。石川公演ありがとうございました!

 

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